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"できる限り毎日更新"を基本にあらゆるメディアで、 あるいは群衆の中で出合った「気になる言葉」をピックアップ。 すべて123文字で綴った日本語論・日本人論である。
★123文字による簡潔な情報伝達の文章スタイルは「知的所有権登録 187441号」を取得しています。
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2018年8月分
「引き続き高い水準を維持しています。」
7月度の有効求人倍率1.63についての報道でNHKはこう述べた。これまでのように「バブル景気以来の高率」という表現を使わない一方で、求人したい企業が働き手を採用できない状況にも触れず、有効求人倍率に対する解釈を放棄したのと同時に負の側面も認めた。
●No.5906/8.31

「浦島太郎。」
が助けた亀に連れられて海底の竜宮城に行ったという物語は江戸もしくは明治以降で、万葉集に始めて現れる浦島伝説には、船に乗り海上の竜宮城に訪れると先日の「日本経済新聞」朝刊。玉手箱の煙も五色の場合もあるとか。太宰治は「浦島さん」で竜宮城を廃墟にした。
●No.5905/8.30

「三朝庵。」
とは早大近くの馬場下町交差点で112年間営業し、この7月末に閉店した蕎麦店だが、女将のエッセーが本日の「日本経済新聞」朝刊に掲載。客として訪れた尾崎士郎や井伏鱒二の様子を辛辣に書き、学生運動当時の様子を活写する際の小気味よさが何とも清々しかった。
●No.5904/8.29

「デジタル・ネイティブ。」
とはGoogle創立年の1989年以降生まれを指す(『Business Timeline』9月号)。インターネットが身近であったため「世界が自分のフィールド」という感覚が強い、と書くが、留学は減り、外出よりゲームを愛す層の「世界」はリアルにあるか。
●No.5903/8.28

「グミの日。」
の9月3日を前にグミ人気を記した昨日の「日本経済新聞」朝刊。生まれた時にグミがあった世代を“グミネーティブ”と呼ぶらしいが、ドイツ発のグミは80年に日本発売。「欧米よりやわらかく可愛い」とアジア人が大量買いするとか。そして新フレーバーラッシュだ。
●No.5902/8.27

「だったらお前が産めよ!」
とは「子どもを産まない方が幸せと勝手に考えている人がいる」という二階自民党幹事長の発言への勝間和代氏の反論(『女性自身』7月24・31日号)。二階氏の発言の底にある「女性は出産すべき」という固定観念を強烈に皮肉った。そう、男も女も生き方は自由だ。
●No.5901/8.26

「ニュー新橋ビル。」
は71年開館で45年以上の歴史をもつ、と「メトロポリターナ」(8月号)。“ニュー”とは逆に、居酒屋はもちろんゲームセンターやマッサージ店、純喫茶など、まさに昭和な雰囲気の店舗がひしめく都内の異空間とも言える。再開発話があるらしいが耐震性はいかに。
●No.5900/8.25

「ポピュリズム。」
を「異論を認めぬ“反多元主義”と解いたヤン=ヴェルナー・ミュラー氏(先日の『日本経済新聞』朝刊)。リーマンショックで国際化に取り残された人々が反エリート意識を強めポピュリズムを助長した。報道規制に乗り出し異論を排除する安倍政権を4割が支持する国。
●No.5899/8.24

「バリバラ。」
は障害者のための情報バラエティーだが、本日は東京パラリンピックでバドミントンとウィルチェアーラグビーが行われる代々木競技場までJR「原宿」駅から白杖と車イスの方が向かった。点字ブロックの少なさ、段差と凹凸の多さに歩道橋が加わり開催時は混乱必至だ。
●No.5898/8.23

「足立美術館。」
を先日の『日曜美術館』で紹介。鮮やかに色づく楓と渓谷の水色の対比が息を呑む横山大観の「紅葉」などの名画はもちろん、米国の日本庭園専門誌で15年連続日本一に輝いた庭で、7人の庭師が早朝から作業し枯葉一枚見せない完璧な美を演出する館の姿勢に驚嘆する。
●No.5897/8.22

「花の建設、涙の保全。」
という言葉を先日の「サンデーモーニング」で知る。建設には潤沢な予算があるが保全予算は削られる傾向を言う。関口宏氏は「保全・維持管理って地味」と述べたが私は高速道の保全には頼もしさを、新東名の建設には空しさを感じる。下水道も含めここにも安心はない。
●No.5896/8.21

「ジェンダーギャップ。」
とは世界経済フォーラム発表の男女平等ランキング。日本の17年度順位は何と144か国中、114位(先日の『日本経済新聞』朝刊)。女性代議士の比率増への取組みも進むが、こうした動きに「女が出しゃばるな」なんて言葉を吐ける男はお目出度いとしか言えない。
●No.5895/8.20

「縞(しま)。」
は2種類以上の色糸や色の濃淡で織った縦または横の筋を指すが、「すじ」と言われたこの文様が「しま」になったのは、南方諸島から渡来した美しい筋文様の布を「島渡り物」と呼んだのが最初、と壇ふみ氏(本日の『日本経済新聞』朝刊)。「縞」のルーツは「島」か。
●No.5894/8.19

「日本が蚊帳の外に置かれている
 ことはありません。」
と北朝鮮を巡る日本の立場を弁明した安倍議員の言葉に対し「スタメン出場している選手が『私は控えではありません』とは言わない」と批判した武田砂鉄氏(『暮らしの手帖』8-9月号)。勝手に解釈するのはまだ可愛い。解釈すらできず真面に答えないのは許せない。
●No.5893/8.18

「民主主義はここ数十年で最も深刻な危機。」
と米国の人権団体であるフリーダムハウス(先日の『日本経済新聞』朝刊)。「17年まで12年連続で自由が後退した国が進歩した国を上回り、強権的な独裁政治の勢いが増す」とも。インターネットの可能性を説くが、結局は投票率には結び付かず裏切られるばかりだ。
●No.5892/8.17

「打ち合わせは降りてから!」
とNHKのエレベーター扉に掲示されていたと森達也氏(『生活と自治』8月号)。意味を問うと「よく分からないのです」とディレクターが答えたと言うが、同所での会話自粛は新入社員でも知るルールだ。これはNHKの低水準を示すのか政治家の圧力への忖度なのか。
●No.5891/8.16

「鋳型に入れたような悪人はいない。」
という夏目漱石「こころ」の先生の言葉を先日の「日本経済新聞」朝刊/春秋で紹介。敗戦間近の8月8日、立川市に落下した米軍機から脱出した米兵を縛り付け老若男女の人々が1回ずつ殴り首を切って埋めた出来事をこの言葉と関連付けて綴った。自分ならどうしたか。
●No.5890/8.15

「マイフェイス・マイスタイル。」
とは特徴的な“見た目”で悩む方々の交流の場を設けるNPO法人(先日の『朝日新聞』朝刊)。唇やアゴが裂けた「口唇口蓋裂」や顔に大きな痣のある「単純性血管腫」などによるが「思わず見るのは仕方ないけれど二度見、三度見はやめて」と言う。私もそうしている。
●No.5889/8.14

「Yokan is a bar of gelled sweet bean paste
 made chiefly of azuki beans,sugar,
 and agar. 」
虎屋「お菓子のしおり」から。日本文化を説明するときほど英語力だけでなく日本文化の知識が必要と思う事はない。しかし、知識がなくても会話を進める場合もあるから、その文化を比喩的に語れる力もいる。いずれにしてもコミュニケーションには国語力が必要なのだ。
●No.5888/8.13

「フランスのベートーヴェン。」
とはサン=サーンス(昨日の『題名のない音楽会』)。「2歳でピアノを弾きこなし3歳で作曲する」という紹介が彼の天才性を物語る。「クラシック界のダ・ヴィンチ」と呼ばれたのは、史上初の映画音楽や交響曲の作曲、天文学、数学まで才能を発揮したのが理由とか。
●No.5887/8.12

「これで終わり。」
と決めた方が「濃密だった25年間が人生の中でよりいっそう鮮やかな思い出になる」と9月16日での引退を決めた安室奈美恵氏(『Numero TOKYO』119号)。「これからの人生は割と質感を大切にしながら生活をしたい」と述べた第二の人生に注目したい。
●No.5886/8.11

「熱中症対策は?」
と訊かれ「睡眠時間と朝食をとる」と答えた建設現場従業員を紹介した先日の「ガイアの夜明け」。NHKニュースは「給水・冷房と外出回避」しか言わないが、この睡眠時間(休養)と朝食(食事)も注意すべき。熱中症で倒れた人々の疫学的検証がなされないのも疑問。
●No.5885/8.10

「骨の花。」
を撮影する徳重秀樹氏が作品工程を紹介(先日の『日本経済新聞』朝刊)。ペットショップで餌として売られる冷凍マウスを解剖し骨を取り出し、加工せず接着剤で花のオブジェに組み上げ4×5インチで撮影。子供の頃、死んだタヌキを解剖したのが発端というのも凄い。
●No.5884/8.9

「新宿ゴールデン街のひとびと。」
という写真集を出版した佐々木美智子氏が「サッカーコートより少し狭い区画に300軒近い飲食店がひしめく」ゴールデン街の思い出を書く(先日の『日本経済新聞』朝刊)。浅川マキ、大島渚、松田優作各氏の話もあったが、私もかつて通った「dada」はもうない。
●No.5883/8.8

「甘酒。」
の売上が6年間で6倍になりインテージ調査で昨年、消費者の平均購入金額の増加率1位に(『サンデー毎日』8月12日号)。その歴史は、縄文時代に米や雑穀を口で噛んで壺に溜めた「口噛み酒」に遡るとか。江戸時代も疲労回復効果が注目されたが“飲む点滴”健在。
●No.5882/8.7

「中華街。」
と言えば横浜・神戸・長崎が三指に入るが池袋北口・東口一帯の中国人による中国人のためのチャイナタウンを「メトロミニッツ」(8月号)で紹介。78年の中国の改革開放政策以降に移った新華僑を中心に生まれた。楼門がなく知らない人も多いと書くが私も知らない。
●No.5881/8.6

「作曲家・宮沢賢治。」
について先日の「日本経済新聞」朝刊で作曲家の中村節也氏が紹介。賢治は楽曲用に二十数作、作詞し、うち8作の作曲を花巻農学校時代に行った。リズムや旋律に民謡の影響があり「ド・レ・ソ・ラ」の4音で作られたが、その曲は深遠でロマンチックだったか聴きたい。
●No.5880/8.5

「女、帰れ。」
と入学した私立医学校で日本初の女性の医師となった荻野吟子は男達から言われた(本日の『日本経済新聞』朝刊/春秋)。「女性は妊娠や出産で医者の職分を全うできない」と開業試験の受験さえ認められない時代に荻野は医院を開業した。明治初期ならまだ分かる話だ。
●No.5879/8.4

「火星。」
は15年ぶりの大接近で話題だが、赤く輝く理由は米航空宇宙局が76年に送り込んだバイキング探査機が酸化鉄(錆)の色だと解明したらしい(昨日の『日本経済新聞』朝刊)。北朝鮮のICBMの名も「火星」、新たなミサイル製造の可能性をトランプは知らぬふりか。
●No.5878/8.3

「政策の持続力が高まる。」
という日銀の説明は2%の物価目標を6度も延期したにしてはあまりに不遜ではないか(昨日の『NHKニュース』)。そもそも結果が出ないから大規模緩和を継続していたはずなのに、多少の修正を行うのを契機に過去の失策に言及しない居丈高さには強い憤りを感じる。
●No.5877/8.2

「オウムを直視してきたか。」
と全13死刑囚の刑執行に際し、逆らえぬ空気が狂気を生んだと論じた先日の「日本経済新聞」朝刊。それを言うなら「直視」しないこと自体が日本文化だ。天皇の戦争責任はもちろんイラク侵攻の是非から、細かな事件で言えばイラク外交官殺害も疑惑を放置したままだ。
●No.5876/8.1


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