"できる限り毎日更新"を基本にあらゆるメディアで、
あるいは群衆の中で出合った「気になる言葉」をピックアップ。
すべて123文字で綴った日本語論・日本人論である。 |
★123文字による簡潔な情報伝達の文章スタイルは「知的所有権登録
187441号」を取得しています。 |
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「学ぶとは“本質まで理解する”ということ。」
という杉山恒太郎・(株)ライトパブリシティ代表取締役社長の言葉を松浦弥太郎氏が紹介(『25ans』3月号)。氏は「理解」定義を「世界を、こんなふうに見てごらん」の「理解とは、わからないことを時間をかけて探し求めることで果たされる」を回答に代えた。
●No.7562/3.18
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「考現学。」
を先月の「日本経済新聞」朝刊で知る。今和次郎が提唱したこのフィールドワークの手法は、例えば京橋から新橋までの西側舗道だけを調査し男の襟の形や女の柄模様などテーマを決めて現実を記録する。今の「印象で事象を判断すると間違いが起こる」という指摘に頷く。
●No.7561/3.17
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「二酸化炭素排出削減だけでは無理で、 何らかの形で大気中に既にある炭素を除去していく必要が最終的に生じる。」
それが気候科学者らの結論だと先日の「日本経済新聞」朝刊の英新聞記事。世界の炭素排出量はカーボンジェット(気温上昇を一定レベルに抑えるために許容できる累積排出量)を大幅に上回るとか。さらに新興国は化石燃料の開発権を主張する。EVにうつつを抜かすな。
●No.7560/3.16
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「個が勝ってしまうと、 巨人軍じゃなくなるわけです。 個人軍になるわけです。」
と原辰徳・読売ジャイアンツ監督(先月の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』)。「根底にあるのはチームが勝つこと」と勝利が宿命づけられた巨人の監督としての覚悟がにじむ。であれば岡本にバントをさせるからには、昨季のような醜態は見せないでほしい。
●No.7559/3.15
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「DX。」
は「ITで製品・サービス、ビジネスモデルやビジネスプロセス、組織や業界構造を刷新する取り組み」と提唱者が定義したらしいが、多くのメディアが「デジタル化」と同一視しており広告も同様だ。ただデジタル化でも変わるから「刷新」の基準がそもそも曖昧なのだ。
●No.7558/3.14
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「渡舟(わたりぶね)。」
という日本酒は茨城県石岡市「府中酒造」の山内孝明常務(当時)が農業試験場から分けられた地元の絶滅酒米「渡船」の14gの種もみを89年に栽培し造った(先月の『ふらり旅 新・居酒屋百選』)。「地元の酒米で」の思いを語る孝明氏の情熱に独創性の凄さを思う。
●No.7557/3.13
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「あなたは日の丸と言ったら 何を思い浮かべますか?」
身分を示さずこの質問から、日の丸の赤は? 外国人の友達は? 戦地では人を殺せる? と問い続けた寺山修司「日の丸」(67年)の手法に則った「日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜」(先月の『未来授業』)。「どこまで言うか」と逡巡するのが日本人という分析に頷く。
●No.7556/3.12
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「6割が地方への移住に興味がある。」
という民間調査会社の調査結果を報じた「横浜FMニュース」。30代に限ると63%になるとか。理由の1位は居住費が安い、2位は転職せず地方への引っ越しができる。6割がテレワーク実施という背景が浮かぶが、会社勤務に戻っているという情報があったはずだが。
●No.7555/3.11
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「自分の「好き」を殺すことは、 間接的に自分で自分を 傷つける行為なのだ。」
幼い頃せがんでディズニーランド連れて行ってもらったのに不機嫌な大人に遠慮し2〜3時間で「早く帰ろうよ」と言った記憶だけが残っている澤田瞳子氏は当時を振り返ってこう書く(先日の『日本経済新聞』朝刊)。それ以来、氏は「内なる声」に耳を傾ける。分かる。
●No.7554/3.10
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「死は絶望とか終わりじゃなくて、 生の続きじゃないかって思う。」
遺品整理士を仕事とする一星(北村匠海)は、手術で妊婦を死亡させた過去に苦しむ鈴 (吉高由里子)にこう言った(先月の『星降る夜に』)。正月3日に死去した父がこの世にはいないという実感がまだないのだが、逆に心の内にいる気もして不思議な気持ちだ。死とは?
●No.7553/3.9
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「東京か、3年ぶりだ。 めまいがするような空気だ。 何てことだ、こんな檻みてぇな箱の中に、 何でこんな人間が詰まってるんだ。 人間、妙な生き物だな。誰もかも、 どういうつもりで生きてるんだ。 みんな死んだような面してやがる。 苦し紛れに生きてる真似をしてるだけだ。」
「乾いた花」(64年)で30年ぶりに出所した村木(池部良)が語る台詞だ(先日の『世界サブカルチャー史 欲望の系譜』)。「死んだような面」は、外国人が日本の通勤風景を見て言う感想だから、村木が言い過ぎている訳ではない。60年、日本人は変わらないのだ。
●No.7552/3.8
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「カスハラ。」
とは、カスタマーハラスメント(顧客や取引先による著しい迷惑行為)の略(先日の『日本経済新聞』朝刊)。連合の22年10月調査で13.5%が受けたと答えパワーハラスメントの次に多かった。レジ袋に商品が入らない対応に怒る高齢男性の例を挙げたが避けたい。
●No.7551/3.7
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「僕じゃない人の生活を送ってる。」
若者のUターン率3割の鳥取県伯耆町(ほうきちょう)で、どぶろく醸造会社を承継した遠藤社長を杜氏として補佐する請川雄哉さんは「会社の価値でモノを売る」営業マン時代をこう振り返る(先月の『いいいじゅー!!』)。ここまで自分を信じられれば何でも挑める。
●No.7550/3.6
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「大四畳半。」
2月13日に85歳で亡くなった松本零士は若い頃に住んだ下宿の四畳半をこう呼んだ(先月の『読売新聞』編集手帳)。サイズは四畳半だが想像力は無限に大きいとでも言うかのようだ。物事をどう捉えるかは自由、何歳になろうと自分の可能性に自信をもって臨みたい。
●No.7549/3.5
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「狂乱の時代。」
の芸術家としてマリー・ローランサンを紹介し「マリー・ローランサンとモード」展に繋げた「サルース」(2月号)。1920年代フランスの10年を指し「人生への渇望と創造的エネルギーの溢れ出し」とも述べられた「狂乱」とは旺盛な活力を表現した語とも感じる。
●No.7548/3.4
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「人が喜ぶことをおやりなさい。」
戸田恵子氏が、やなせたかしに言われた言葉だ(先月の『キュレーターズ_マイスタイル×ユアスタイル』)。シンプルだが、これを基準にすると「俺が、俺が」にはならない。やなせたかしが通ったカイロプラクティックに私も通い同じ施術をしてもらっているのが自慢。
●No.7547/3.3
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「常識。」
という言葉は明治期に英語「Commonsense」が日本に入り「普通感」などと共に当てられた訳語とか(先月の『読売新聞』朝刊/編集手帳)。「常識」は同調圧力とセットだと武器になるが、逸脱することを怖れる必要はない。江戸以前にはない概念なのだから。
●No.7546/3.2
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「一人は寂しいから、誰かと つながりたいって思うんだけど、 つながったら余計寂しくなる。」
とセイラは言い(田辺桃子)は「一人のときが余計寂しくなる。きっと人はいなくなると思う」と続けた(昨日の『夕暮れに、手をつなぐ』)。先日書いた恋と友情の比較とは少し違うが、これも“一人”を愛する一人の望みだ。この感情は広く浸透しつつあるのだろうか。
●No.7545/3.1
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川中紀行の noteもぜひご覧ください。 「今日の気になる言葉123」と一部が連動しています。
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