"出きる限り毎日更新"を基本にあらゆるメディアで、
あるいは群衆の中で出合った「気になる言葉」をピックアップ。
すべて123文字で綴った日本語論・日本人論である。 |
★123文字による簡潔な情報伝達の文章スタイルは「知的所有権登録
187441号」を取得しています。 |
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「無理せず
急がず
はみださず
力まず
ひがまず
いばらない。」
とは、織田信長の比叡山焼き討ちから数え、「二千日回峰」なる荒修行を生涯2度行った史上3人目の僧侶で、生き仏と崇められる酒井雄哉大阿闍梨の言葉(昨夜の『ニュース23』)。見て小さく唱えるだけで、ささくれだった神経が穏やかになる気がする。いいですね。
●No.1317/04.11.30
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「静筋
(じょう
きん)。」
「ライ(球が止まっている位置や状態)や風、木やグリーンの位置などを考えてショットをイメージする力」を指す宮里藍さんの父親の造語だとか(本日発売の『サンデー毎日』)。その力が彼女の成績を支えた。一般の生き方においても大切なのは静筋=想像力だと思う。
●No.1316/04.11.29
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「(大会の
歴史の
紹介で)
東京女子
体育大学、
東京農業
大学、
中央大学が
優勝に
絡んで
きました。」
と、本日の「全日本大学女子駅伝」で実況アナ。アナウンサーも人間だ。言い間違えはあろう。ならば言い直せばいいのに直さないし、これは言い間違えでなく日本語を知らないために生まれた。この3校は優勝校である。優勝校に「優勝に絡んで」と言うのは誤りである。
●No.1315/04.11.28
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「組織に
属して
いても、
生きる
手段
として
会社に
勤めている
のであって
会社員で
なく、
まず個人
としての
自分が
あると
考える。」
と林望氏(本日の『日本経済新聞』朝刊)。この種の人生訓が実に多いが、労使関係の変化は認めるものの、組織に属しつつ個人を優先する論理はこんな安直に語れない。組織人である以上組織の中での処世訓であるべきだし、組織の論理にやりがいを見出す人だっている。
●No.1314/04.11.27
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「国民全体
では
京都議定書
の厳しさの
認識は
誠に
乏しい。」
と本日の「日本経済新聞」朝刊。やっと言ってくれた。馬鹿なワイドショーも二酸化炭素削減についての国民の努力に何一つ触れず産業界の慌てぶりを茶化すのみ。国民に比べれば企業努力の方がよほど進んでいる。エアコンのつけ放しなんてもっての他なのに、手遅れか。
●No.1313/04.11.26
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「管理職から
お聞き
して。」
水戸市で両親殺害事件を起こした少年の元担任のインタビュー第一声。他に問題山積なのを百も承知で気になったのはこの敬語の誤り。単に文法云々でなく教育現場の言葉の貧困が象徴されている。私は授業取材も行っており優秀な教師も知るつもりだが、これは情けない。
●No.1312/04.11.25
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「事件を
抱えた
刑事は
仕方が
ないの。
私の夫も
我慢の
限界よ。」
フランス初の女性刑事警察局長となったM.モンテイユさんが、かつて残業続きの同僚の妻からかかってきた電話に向かって囁いた一言(本日の『朝日新聞』夕刊)。正に腕利きデカだった彼女の生粋の刑事ぶりがよく出たエピソードだ。全ての凶悪事件の解決を切に祈る。
●No.1311/04.11.24
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「ちまたで
見られる
比内地鶏
ではなく
本家・秋田
比内町産の
メスの
比内地鶏で
ございます。」
と品書き巻頭にメッセージを載せた「江戸の鶏処〜今井屋」。本日、同「あざみ野」店にてランチを食す。品書きに素材のよさを述べる店舗は数多いが、比較広告風な挑戦的物言いに自信がのぞいた。「どっちの料理ショー」にも登場の安部養鶏場の鶏肉とか、確かに美味。
●No.1310/04.11.23
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「にゃんで
ぇ〜っ。」
と渡辺満里奈さん(昨夜の『おしゃれカンケイ』)。「にょん、にょん、にょにょにょ〜」のフレーズが可愛い自身のCMソングが流行っているのとは関係ないと思うが、全く「何で?」の連続だったのが前田知洋氏のマジック。私、初めて見ましたが完璧で凄かったです。
●No.1309/04.11.22
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「どうして
男の人
って、
あんなに
テレビが
好きなのか
なあ。」
という女友達の言葉からエッセイを綴った川上弘美氏(本日の『日本経済新聞』朝刊)。「男は常に所在ない。だからテレビを見る」と結論づける氏。実は私も結婚当初、妻からよく「テレビ好き」を指摘された。年毎にテレビ視聴は減ったがこの論理、確かなのだろうか。
●No.1308/04.11.21
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「カナダ
雁。」
カナダでは紙幣の図案にも採用されているという鳥が神奈川県の丹沢湖に5羽棲息している。本日、紅葉を見に行った折りに見かけた。地元の方の話では偶然飛来してきたとの事。まだ報道されてないと思うが、この鳥と日本の関係について知っている方はどうぞご連絡を。
●No.1307/04.11.20
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「TPOに
合わない
言葉遣いが
氾濫して
いる時代。」
に「TPOに合う洋服は難しい」と植田いつ子氏(本日の『朝日新聞』夕刊)。美智子皇后お気に入りのファッションデザイナーは30年以上も前に女性の化粧の濃さとケバケバしい装いに驚き働く女性の服を作り始めた。しかし言葉の方が見た目よりも崩壊の進行は速い。
●No.1306/04.11.19
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「ダブル・
ファンタ
ジー。」
先頃、直木賞を獲った奥田英朗氏が3年前に上梓した「東京物語」で主人公の新米コピーライター・田村が初めて褒められたダブル・カセットデッキのキャッチ。J・レノンが射殺されたふた昔も前の時代設定だが、その描写がリアルで広告業界を目指す方は読む価値あり。
●No.1305/04.11.18
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「9割以上の
人が、
頭を左に
魚の絵を
描く。」
と本日取材した某企業の企画部門のビジネスマン。私は初めて聞いた言葉だった。だから「常識にとらわれず発想したい」と。確かに私も魚の絵をそのように描く。改めて普段から決めつけている事をもう一度見直す努力をしたいと思った。皆さんも今日から、ぜひ実行を。
●No.1304/04.11.17
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「All religions
forbid
terrorism
and
violence.」
2ヵ月も前の言葉だが記す。「全ての宗教はテロや暴力を禁ずる。」イランの人権活動家であるシリン・エバディ氏の発言だ。ブッシュ支持のキリスト教原理主義者も殺人を犯すイスラム教徒もイラク抗争を正統化する点では同じ。I can’t believe in God.
●No.1303/04.11.16
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「インタ
ビューは
勝ち負け
ではなく
問題提起。」
と坂本衛氏(本日発売の『サンデー毎日』)。石原都知事に対する古舘伊知郎氏の質問攻勢を褒めた。当夜の模様を見ていない私だが、小泉議員に質問する記者連中に“問題提起”する気概が僅かでもあればと思った。どんな馬鹿な事言っても頷いているだけじゃ情けない。
●No.1302/04.11.15
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「プチ体操は
いかが。」
と「日本経済新聞」本日朝刊は薦める。プチ留学、プチ整形、プチ家出など「プチ」の氾濫は醜悪な状況を呈する。この言葉も奇異だ。本来、体操とは手軽=プチなものだし、イスにかけて膝を伸ばす体操はストレッチそのものだ。なぜあえてプチを使うのか理解できない。
●No.1301/04.11.14
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「楢枯れ。」
が進行中とか(本日の『日本経済新聞』朝刊)。酸性の強い雪が木を衰弱させるというが、ならば原因は二酸化硫黄や窒素酸化物だ。それに間伐の怠慢が追い打ちをかけ今年は熊達の食糧を奪った。車の排気ガスの影響は殆ど報道されぬが現実に森も人の健康も奪っている。
●No.1300/04.11.13
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「なぎさの
小舟波に
たゞ
よひ。」
と父を失い母と幼い妹を抱えた十八歳の樋口一葉は自らの辛い心を詠む(本日の『朝日新聞』夕刊)。二十四歳七カ月で夭折した五千円札の人の孤独を想う。女性進出の先駆けと称される意志の強い顔が配された新札と見比べ、口をぽかんと開けた若い女の顔に身震いする。
●No.1299/04.11.12
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「親子一緒に
楽しんで
ます。」
と言う両親の横で4歳の子供がおにぎり食べてていいのか? 深夜の居酒屋で(本日の『日本経済新聞』朝刊)。親子カットコースを設けて10年になる美容室経営者は最近「スタッフがお子さまをしかる場合があります」と貼り紙をした。親が叱らないそうだ。日本、墜落!
●No.1298/04.11.11
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「名古屋、
沸騰。」
なる「ライオンキング」名古屋公演のキャッチを昨日、JR「名古屋駅」で見た。同ミュージカルの東京公演で「東京、沸騰」とは広告しないだろう。それが東京との温度差だ。だから地方に権限移譲する三位一体の改革も道理には適うが何もかも全て任せてはうまくない。
●No.1297/04.11.10
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「あのとき
可能性の
あった
未来の
中から、
いまこの
未来を
手に
入れられた
のは
良かったと
思って
いる。」
今年映画化された佐藤正午著「ジャンプ」のヒロイン・南雲みはるの言葉。今日の名古屋駅15時24分発のぞみ16号車中で読み終えた。皆さんは振り返ってみていかがですか?「今日の気になる言葉123」本日、4周年。始めた時、想像できなかった未来に私はいる。
●No.1296/04.11.9
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「小泉首相の
悪運。」
と本日発売の「サンデー毎日」。もちろん盟友ブッシュ再選を指したもので各マスコミも同様の論調だが、見方が浅くはないか。いま始まっているイラクでのテロリスト掃討作戦は成功するのか? ブッシュと米国がこのまま安泰であるという前提の展望でしかない気がする。
●No.1295/04.11.8
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「四十代も
終盤
(四十八)
になると、
少しずつ
身体に
ガタが
生じて
くる。」
と泉麻人氏(『ファミリー109』11月号)。同い年の随筆家の全く同感の一文に笑う。氏が二年前から用いる老眼鏡を私も先週、注文。遠近両用なる代物だが、店員曰く老眼鏡は早く使って目を慣らしておくと老眼が進んだ時に対応しやすいとのこと。老眼も練習次第?
●No.1294/04.11.7
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「疾。」
石川九楊氏著「一日一書」本日の書。「リュックとズック、水筒、Gパン、無線機の諜報員姿」と現代人の服装を揶揄し次は防毒マスクの装備かと問う。「疾(や)んだ社会」と氏も指摘する現世を健全にする方策はあるのか? 昔に戻る意味を、レトロではなく論議したい。
●No.1293/04.11.6
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「ブログ。」
をやろうと思ってなかなか実現しない内、私より遙かにお忙しい多くの皆さまがあっけらかんと始められてしまった。「ものすごく簡単な個人出版」と伊藤穣一・ネオテニー社長(『ブルータス』11/15号)。たった一言に始まり形式は自由。私はまた迷いだしている。
●No.1292/04.11.5
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「ジョージ・
W・
ブッシュ。」
という名をまた聞く事になったが、ブッシュが泥沼にしたイラクをケリーが立て直すのは奇異だった。ただ、多数の評論家が言うように米国民の恐れるビン・ラディンにとって再選は好都合だし、日本もますます危険になる。ブッシュの政治生命はイラクで断たれると思う。
●No.1291/04.11.4
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「こちらの
商品を
お手に
とって
いただく
場合は、
割れ物に
なります
ので充分
ご注意
ください。」
と東京・代官山「ラフェンテ」2階の某店舗に陳列されたガラス器。この器は、手にした途端に割れ物に変わる魔法の品なのか? 「割れ物ですので」となぜ書かない。また、「いただく」は尊敬語ではない。文章自体も意味不明だ。頭痛がするほどの敬語の無法地帯、日本。
●No.1290/04.11.4
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「So
tell me
something
interest-
ing about
yourself.
Lie if
you
have to.」
と書かれたプレートが男子トイレ(小用)の目線の辺りに貼られていた都ホテル東京・1F。「君について何か面白いことを聞かせてよ。嘘でもいいから。」これを今日読んで、つい面白いこと? と考えてしまった。他の2つの便器は確認せず。皆さんは、どう答えますか?
●No.1289/04.11.3
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「もう
少しの
自由。」
を人は自分の置かれている環境に対し抱いていると加島祥造氏(本日の『朝日新聞』夕刊)。もっと自由な時間、自由な人間関係、自由な仕事。確かに人は自由を求めている。それは常に“もう少し”なのだが、その“もう少し”を明らかにし努力していく事は重要である。
●No.1288/04.11.2
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「自分探しの
旅。」
と故香田証生さんの行動を表した「アマチュアはイラクに入るな」の著者・吉田鈴香氏(本日発売の『サンデー毎日』)。死者に鞭打つ言葉は控えたいものの、私も香田さんの行動の向こうに昨今の日本の若者の理不尽さをそのまま浮かべて成り行きを見ていた一人だった。
●No.1287/04.11.1
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川中紀行のブログ「 いいコトバ」 「再現批評」もぜひご覧ください。 |
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