"出きる限り毎日更新"を基本にあらゆるメディアで、
あるいは群衆の中で出合った「気になる言葉」をピックアップ。
すべて123文字で綴った日本語論・日本人論である。 |
★123文字による簡潔な情報伝達の文章スタイルは「知的所有権登録
187441号」を取得しています。 |
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「栄えすぎて
進化を
忘れた
者には
絶滅が
待って
いる。」
と、人類誕生までを綴った昨夜の「NHKスペシャル」。陸を支配した恐竜も海を支配した板皮(ばんぴ)類も、支配したが故に進化が不要になって滅びた。人類の祖先は外敵から身を守るため進化を重ねたが、繁栄を手にしたいま進化していない私達にも絶滅が待つのか。
●No.1348/04.12.31
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「マス
メディアに
勤めている
人が、
公務員や
銀行員に
なって
どうする。」
と田中康夫・長野県知事(昨夜の『田中康夫のニュースウォッチ』)。マスメディア批判をする自分自身に対するマスコミバッシングへの恨み言だが、私はマスメディア自身が官公庁だと思う。ヒステリックさを増す世論も確かに問題だが、保身への欲望と臆病が見苦しい。
●No.1347/04.12.30
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「いまの
日本人の
顔は
小泉首相の
顔が代表
している
ような気が
する。」
と椎名誠氏(昨日の『朝日新聞』夕刊)。世界で出会った人々の表情について語りながら「シニカルに狡猾に感情を隠蔽した蝋細工のような顔」と指摘。内閣支持率が下がったとはいえまだ40%。よほど日本人はこの情けなさを愛しているらしい。違う言葉で節穴と言う。
●No.1346/04.12.29
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「介護は
二度目の
蜜月。」
と本日の「おとなの学校」。妻を介護する旦那様の様々な日常が描かれていたが、共にテレビを観ていた馴染みの居酒屋のご夫婦は互いに「先に死ぬ」と譲らず。心配性の私は妻をおいてとても死ねないので生きる。残されて結構。でも皆さんご立派。これこそが愛、です。
●No.1345/04.12.28
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「日本の
外交活動の
中心の一つ
は日本語の
普及です。」
と椎名武雄・日本IBM最高顧問(本日の『日本経済新聞』朝刊)。米国の大学生で日本語を学ぶ数は中国語のそれより多い。「日本を理解してもらうために日本語を普及し世界で通用させる」と意気込む。大局的視点が鋭いなと思うが、政府は予算を減らしているらしい。
●No.1344/04.12.27
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「酒。」
なる題で本日の「日本経済新聞」朝刊に北杜夫氏が随筆を寄せた。私は実は「酒」と呼び捨てにしない。五代目古今亭志ん生の枕(落語の導入部)で、お酒が「そんな簡単にこの味は教えないよ」と言うくだりがある。お酒に敬意を払い見方を変えれば泥酔は減ると思うが。
●No.1343/04.12.26
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「都会では
自殺する
若者が
増えている
今朝来た
新聞の
片隅に
書いていた
だけども
問題は
今日の雨
傘が
ない。」
とUAが歌う(本日の『井上陽水 空想ハイウエイ』)。「あの時のあの一日がすとんと降りてきた」ほど曲の世界に入ったと彼女は語る。だけど私が中学生だった72年のこの詞は現代にぴったり。70年代の曲がいい、いまの曲は詞が分からない、なんて年取った証拠か。
●No.1342/04.12.25
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「マグロよ
お前もか。」
と題し、水銀含有量を見越して妊婦が1週間で食べられる安全な魚介類の基準引き下げを報じた本日の「日本経済新聞」朝刊。国際基準ではマグロも水銀過剰摂取の注意対象になる。だが千字以上の記事に「汚染」の一文字もないのが私は怖ろしい。これって当たり前なの?
●No.1341/04.12.24
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「好きな
人に
ものを
贈る。」
は無印良品のXmasギフトのスローガン。贈るのは普通「もの」なのに、あえて「ものを」とした点が謎だ。「こころを贈る」なら分かるし、ギフトって多かれ少なかれ「もの」と共に何らかの気持ちを贈るものだと思うが、ならばいっそ「好きな人に贈る」の方がいい。
●No.1340/04.12.23
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「いつもオレ
山口智子と
比較する
んだけど、
アイツは
スター
なのよ。」
と唐沢寿明さん(本日発刊の『R25』)。既に本欄で書いた通り、俳優としての彼も好きだが、飾り気のない発言と行動にとても好感が持てる。以前“キムタク”に対し「全然オーラが違うのよ」と言ったが、人気俳優が普通言わないことを真顔で言ってしまうのが凄い。
●No.1339/04.12.22
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「イラク
戦争は
戦う価値が
なかった。」
と20日のワシントンポストの調査で米国人の56%が判断した(今夜の『ニュース23』)。何をいまさら。それでも選挙に勝ったのはブッシュだ。この大統領を盲目的に支持する小泉議員をこれまた溺愛していた日本国民もやっと支持率を下げ始めた。早くゼロにして。
●No.1338/04.12.21
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「いろはに
ほへと。」
とは先頃没した島田正吾さんの位牌横に飾られた色紙の言葉(本日の『朝日新聞』夕刊)。劇作家・長谷川伸が「初心忘るべからず」の意を込めて書いたとか。コピーライターは常に文章を評価される身だ。真摯にそれを受け止めさえすれば戒めには事欠かぬ職業ではある。
●No.1337/04.12.20
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「チャレンジ
・アンダー
300。」
は警視庁の交通事故死者数減少のスローガンだがその数は3百人を越えた(本日の『日本経済新聞』朝刊)。死者数をこんなに軽々しく表現する感覚が理解不能だし事故の危険は件数で測るべきだ。今年前半の件数は過去最悪。思いやりが消える都内で事故が減る訳がない。
●No.1336/04.12.19
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「あんなに
女性を
大切にして
守って
くれる
男性が
いるん
ですね。」
とは「冬のソナタ」コンサートの観客対象アンケートで、特に50〜60代の女性に目立った文面とか(本日の『読売新聞』朝刊)。“家事をせず日曜日はゴルフ”なる男性層の本当の割合は知らぬが、ペ・ヨンジュン人気はやはり高度成長を生きた男達へのしっぺ返しか。
●No.1335/04.12.18
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「おれが
幹事長なら
あと十人か
二十人
つけて
やったのに
なあ。」
と、新自由クラブを旗揚げしたばかりの河野洋平氏に当時の田中角栄前首相は言った(本日の『日本経済新聞』朝刊)。正面から田中批判をし党を出た人間に、である。度量が大きいと言わざるをえない。どこかの首相は、自分の言いなりになる人だけで組閣しましたけど。
●No.1334/04.12.17
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「ラベルが
汚れて
いても
いい。
中身が
大丈夫なら
飲みたい」。」
という手紙が寄せられたという。中越地震で清酒合計1万本、米九千俵を廃棄した、あの「久保田」の蔵元、朝日酒造(『文藝春秋』1月号)。それでも十一月八日に瓶詰を再開したというのが凄い。「こんな時こそ笑顔で頑張ろう。」従業員の方がそう言ったとか。尊い。
●No.1333/04.12.16
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「高齢者を
無視するな。」
と本日の「朝日新聞」夕刊。百貨店には若い女性用の品ばかりと言うが、通販市場では高齢者向けの商品企画はかなり進んでおり「健康」がテーマの食品はかなり高齢者を意識している。ただ高齢者の多くは自らを高齢者と認めたがらず商品企画が苦心しているのは事実だ。
●No.1332/04.12.15
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「ねがはくは
花の下にて
春死なん
その
きさらぎの
もちづきの
頃。」
なる西行の歌を細川護熙・角川春樹両氏が紹介(『文藝春秋』1月号“理想の死に方”)。様々な「死」の哲学が語られているが、何故かこの歌のゆとりに心を奪われた。それにしてもこの新年号の特集が現代を象徴している。生と共に死を、考えるべき時代なのだと思う。
●No.1331/04.12.14
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「ソリレス。」
とは「鶏の腿のつけ根の骨の窪みに付いている丸い肉」を指すフランス語で、Sot-l'y-laisse=「お馬鹿さんは残す」という意味なのだとか(今夜の『SMAP×SMAP』)。この部位を使った木村拓哉さんの鶏雑炊の腕前を見つつ、温かな常夜鍋を囲む。
●No.1330/04.12.13
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「(北朝鮮は
)第一回目
の小泉
訪朝で
拉致問題は
終わったと
思って
いる。」
と平沢勝栄議員(本日の『サンデープロジェクト』)。何をいまさら。小泉訪朝は成果のみが強調されるが、北朝鮮を増長させた原因は世論と小泉議員にある。北朝鮮の理不尽な報告に「はいそうですか」と帰国した小泉への批判は一切なし。それが現状を生んでいるのだ。
●No.1329/04.12.12
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「(料理は)
健康じゃ
ないとだめ。」
と本日、義父母らとランチに伺った大和市のフランス料理店「サカモト」の坂本シェフ。舌はもちろん五感を研ぎ澄ませるためには健康であるべきで、スポーツジムで身体を鍛えられているとか。疲れから体調を崩したパティシエ修行中の義妹も頷いた。コピーも全く同様。
●No.1328/04.12.11
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「前の
代理店
よりも
明らかに
いい仕事が
できると
確信でき
なければ
アカウント
を絶対に
受けない。」
広告、そしてコピーライター達の目標であったD・オグルビー氏の「ある広告人の告白」を取り上げた「1月の宣伝会議」。私も、新規の仕事で前任者のコピーを見せられた場合、それが水準以上の品質であればはっきりと言う。コピーの質を客観的に見る目も重要である。
●No.1327/04.12.10
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「人生には
三つの坂が
ある。
上り坂、
下り坂、
そして
“まさか”。」
と作日の「朝日新聞」夕刊。下り坂と思ったら下り坂になる。下り坂と思いそうになったら、あくまで上り坂への途中だと考える。それは世の「成功術」の鉄則だ。できれば「まさか」と思う回数は減らしたいものだが、そうなったとしても、やはりプラスに考えることだ。
●No.1326/04.12.9
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「生きて
働く力。」
を養うために教育プログラム作りを三菱総研に託した東京都杉並区(『サンデー毎日』12.19号)。フリーターやニートを見て考えたらしいが、“生きて働く力”って、商店街でインタビューしたら養われるの? 肝心の“忍耐力”を古いと言っている限り浮かばれない。
●No.1325/04.12.8
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「柿ピー。」
を洋酒のお通しとして初めて出したのが帝国ホテル中2階「オールドインペリアルバー」なのだとか(昨日の『朝日新聞』夕刊)。一斗缶で新潟産柿の種と千葉県産ピーナッツを7:3の割で混ぜ合わせる。実は私は“柿ピー本”を編集したいほど、この柿ピーに目がない。
●No.1324/04.12.7
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「勝てる
試合だと
思い
ます。」
と述べた福原愛さんの言葉を「勝てる試合だったと思います」と変えてスーパーを流した本日午前深夜の「Jスポーツ」。「世界ジュニア選手権」準決勝を相対化したのが本人の発言で、過去形にしては意図が異なる。間違いの多いテロップは下手な配慮をしない方がいい。
●No.1323/04.12.6
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「愛と欲望の
日々。」
78年に「勝手にシンドバッド」でサザンオールスターズが登場した頃、全く同世代の私達は社会学のゼミでコミュニケーション面から曲を語り合った。以来 50枚目の本シングルがまたしても1位(本日午前深夜『カウントダウンTV』)。不世出という言葉が相応しい。
●No.1322/04.12.5
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「数字が
少なく
なるだけ
ですけど。」
と、中村勘九郎丈(本日午前深夜『ニュース23』)。来年、勘三郎を襲名する勘九郎丈の現芸名最後の「嘉穂劇場(福岡県飯塚市)」公演の挨拶で。生き方が羨ましい皆様は多いが私にとってはこの方が一番。「平成中村座」で歌舞伎界を引っ張る情熱が凄い、凄すぎる。
●No.1321/04.12.4
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「和への
回帰とは
言えないと
思う。」
と若者達に広がる和装人気を評した成実弘至・京都造形芸大助教授(本日の『朝日新聞』夕刊)。簡易な和服を着てヒップホップを踊るのは自由だ。そしてこの風俗に「和への回帰」云々を持ち出すこと自体、無意味である。なぜなら日本文化はその前に既に崩壊している。
●No.1320/04.12.3
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「絶対
敬語。」
とは、身内を含め敬う対象に全て敬語を使う会話体系だが、高橋秀実氏はペ・ヨンジュンの人気を絶対敬語が基本となる韓国語の礼儀正しい印象にあると言う(『R25』12/03→09)。それは別とし、身内を区別できない日本人の敬語はもちろん絶対敬語ではない。
●No.1319/04.12.2
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「何事でも、
自分に
してもらい
たいことは
ほかのひと
にもその
ようにしな
さい。」
と、なかなか『聖書(マタイ七・一二)』はよいことを言う。仕事で久々に聖書を読む。してほしい事はしてあげた方がいいし、逆にしてほしくない事をされた時は、自分がその人に同じ事をしていると悟るのだ。他人は自分の鏡と、俗人の私でさえ思うように努めている。
●No.1318/04.12.1
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川中紀行のブログ「 いいコトバ」 「再現批評」もぜひご覧ください。 |
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