
同社・京浜急行線の乗降客増のために行ったキャンペーン告知パンフレットの取材・コピー・撮影を担当。「京浜急行線から東京・浅草へ直結」を訴え、現在の浅草の魅力を伝えた。
〔巻頭コピー〕
百花繚乱、浅草、絢爛。
東京・浅草。一千三百年以上もの歳月を重ねてきた金龍山浅草寺を中心に栄えてきたこの町は、仲見世通りをはじめとする江戸文化の匂いや、街角を彩る老舗の 風情に明治や昭和モダンの空気を色濃く残しながらも、懐かしさとはまた別の人間味ある現代の空気に満ち溢れている。正に肌で感じる生き生きとした町の表情 は、浅草地区の年間観光客数一,九六七万人(二〇〇六年度/東京都台東区調べ)という数字にも表れている。人を集めるこの町の力がいかに凄いかがお分かり いただけるであろう。
仲見世から新仲見世へ、そこから広がる興趣に満ちた各通りへ。ともかく一度、いまの浅草を歩いていただきたい。一歩足を踏み入れた瞬間から視線の行き先に 迷うほど、正に百花繚乱で魅力たっぷりの店並や、売る人、買う人の熱気、何より町全体の麗しき佇まいに酔いしれることだろう。
呉服店やつげ櫛、江戸切子の専門店など江戸情緒が馴染む「伝法院通り」の粋、 “日本の喜劇王”とも呼ばれた榎本健一や“フーテンの寅”で国民的人気を集めた渥美清ら浅草ゆかりの数々の芸能人を紹介した「浅草六区通り」の演出、さら に夜のとばりが降りる頃に通称「煮込み通り」を訪れれば、赤提灯に食欲をそそる煙と匂いが酒飲み達を迎えてくれる。辻々を折れるごとに色合いを変化させる 通りの雰囲気にまた興味深々となりながら、いくつもの伝統と歴史が重なり合う由緒ある町の磨き込まれた魅力に目を見張らずにいられない。
季節は深秋から冬へ。粋でいなせな売り声や掛け声が響くなか、賑やかで華やかな季節を迎える浅草を見逃す手はないだろう。なぜか好奇心が熱くなる、この町の不思議を隅々まで味わい尽くすために。
