2004年4月分

「そんな
 超楽観で
 いいん
 ですか?
 オノさん
 。」

とオノ・ヨーコ氏に訊いた古館伊知郎氏(昨夜の『報道STATION』)。「最後は平和運動が勝つ」と言う彼女に現実を踏まえ率直に問うた。酷評される古館氏だが私は前任者にない資質を評価する。そして行動力は尊敬するオノ氏に、それでも私は同じ質問をしたい。
●No.1089/04.4.30








「小学校で
 学ぶこと
 だけでは、
 私立中学に
 合格でき
 ない。」

仕事で会った個人学習塾の経営者は、中堅の私立中学の試験問題を見せながらこう言った。受験戦争に目を背け授業を軽減した文科省は、過度な偏差値志向をどう処するのか? 一方、学級破壊を起こす子供達に“ゆとり”は意味を持つのか? 誰も責任を負わぬ、教育の病巣。
●No.1088/04.4.29







「SONY
 出井会長は
 ほんとうに
 ワースト
 経営者
 ですか?」

なる題で“ソニーショック”から立ち直れぬ現状と出井伸之会長兼CEOについて述べた「GQ」6月号。私は故井深大氏の起草した東京通信工業設立趣意書の「自由豁達ニシテ愉快ナル理想の工場の建設」という文言が大好きだ。仕事とは関係ないけど、出井さん頑張れ!
●No.1087/04.4.28







「日本政府は
 何も
 しな
 かった。」

とイラク人質事件での小泉議員の「なおそういう事を言うのか」なる憤りの背景を分析した米原万里氏(『サンデー毎日』5/9-16号)。実は人質解放に尽力したクバイシ師に日本政府は何ら接触せず、米軍と米国のみを頼ったと喝破。それでも小泉なのか日本国民よ。
●No.1086/04.4.27







「想像力の
 著しい
 減退が
 もたらす
 病。」

とイラクで人質になった3人への誹謗中傷と自己責任という名によるバッシングを憂えた江川紹子氏(『サンデー毎日』5/9-16号)。氏のアドレスにも熱病の如き批判メールが寄せられたとか。想像力とは、被害者家族の過度な反応をそれでも斟酌し理解できる力だ。
●No.1085/04.4.27







「つらいなぁ
 というのは
 大きな運を
 つかむ
 予兆だと
 思う。」

と萩本欽一氏(本日の『日本経済新聞』朝刊)。初めてのテレビの仕事でNG19 回、「お前なんかダメだ」と罵声を浴びせられ下宿に戻った苦い体験をこう振り返る。ただ「目立たない所で努力している」事が肝心と言う。殆どの人間に訪れる“辛い時期”への励ましだ。
●No.1084/04.4.26







「ごめん、
 バリア
 フリー
 じゃ
 ないんよ
 。」

と言ってレストランの店員は扉を閉めた。本日の「いきいき! 夢キラリ」は身障者で「車いすのリアル」著者・石川ミカさん、大輔さんご夫妻。福祉イベントで差別を受けた身障者の方の体験談も聞いた事がある。最も大切なのは施設や機器やスローガンでなく我々の心だ。
●No.1083/04.4.25

※2004年5月9日、石川大輔・ミカご夫妻からメールを頂戴しました。私が取り上げたことを喜んで頂いた内容でした。  早速、お礼のメールを差し上げましたが、本欄で取り上げたご本人からの初めてのメールでした。






「事実が
 起こっ
 ちゃった
 んだから
 仕様がない
 でしょ?」

3閣僚の国民年金未払いで福田官房長官はこう言ってのけた。小泉内閣とマスコミとの不自然に友好的な関係には全く納得がいかない私だが、こんな国民を馬鹿にした発言に何も言えない彼らとは何か? 福田議員はのぼせ上がっているとしか言い様がなく断固陳謝すべきだ。
●No.1082/04.4.24







「入社式
 15分で
 済ませて、
 そのまま
 ヒルトンに
 連れて
 行かれて、
 2時間半
 立ちっ
 放し。
 上の人が
 座らせて
 やれよと
 言ったのに
 人事部の
 奴が
 大丈夫です
 って、お前
 じゃねぇよ
 。」

と怒っていた、今夜の渋谷駅22時40分発の中央林間行き急行に乗った新入社員のあなた。恐れ入りました。それが嫌なら今すぐ起業されるか実力一本でのし上がれる勝負の世界へ転職してください。それか1年後、そんな事言う後輩に説教しているあなたに期待します。
●No.1081/04.4.23







「テロ
 やまず。
 イラクの
 バスラで
 68人。」

どうしても目が行くイラクの記事。「朝日新聞」本日夕刊はこの後「一人ひとりの人生があったのに」と結ぶ。今月のイラク占領米兵の死者100人超。それでも小泉を支持するか日本国民よ。国内に被害が及んでも論理的には支持するしかないと理解しているのだろうか?
●No.1080/04.4.22







「自己
 責任。」

イラク人質事件で日本の恥部が噴出した。人質家族の英雄視を助長したテレビの無節操。家族の言動をバッシングするヒステリック過な心理。イラク人のための活動を立入禁止区域に入るのと一緒に論じる暴論。自己責任と偉そうに言うなら言える物はまだいくらでもある。
●No.1079/04.4.21

※いまフランスのルモンドが日本の自己責任論を批
 判する旨の記事を掲載したニュースを知る。日本
 政府こそ、日本の恥である。







「一種の
 バカに
 違い
 ない。」

とは、独身を貫いたおのれ自身を評した中野翠氏の言葉(本日の『朝日新聞』夕刊)。「くわえタバコで皿洗い」という戸塚文子氏の言葉がずっと好きで、それが心の奥底まで達したのかと自嘲。私は氏の乾いたコラムが時に好きだ。政治家にもこんな客観的な目があれば。
●No.1078/04.4.20







「高校に入学
 してから
 まだ二ヶ月
 しか経って
 いないこの
 六月の
 時点で、
 クラスの
 交友関係を
 相関図に
 して書ける
 のは、
 きっと私
 くらい
 だろう。」

と分析するハツと同級生達との不器用な人間関係が繊細な筆致で描かれる「蹴りたい背中」。昨日と同じ理由でこれも今日、読み終えた。同じ十代の心の揺れを描くが、綿矢りさによる女子高生の心理描写は、舌にピアスをつける金原ひとみの世界より遙かに痛々しかった。
●No.1077/04.4.19







「タマに
 ピアスが
 刺さって
 いる写真や
 刺青の
 写真。
 そんなのが
 壁に貼って
 あった。」

周囲の4人の女性達が読んだ後に戻ってきた「蛇にピアス」をやっと鑑賞。小説としての評価は“専門家”でないので控えるが、言葉の使い方はこんな調子の口語体で「そんなのが」にこの人の本領発揮? 40代後半の私にはSMや刺青など風俗の新鮮さしか残らなかった。
●No.1076/04.4.18







「どこまでが
 庭か
 分からない
 くらいの
 広さで
 ガーデ
 ニング
 し放題の
 一軒家が
 家賃3万
 5千円。」

奄美大島に住む妻の女友達が営む店のお客様が、名瀬市から少し外れた場所に一軒家を借りるらしい。3万5千円なる家賃は都内で家探しを始めた我々夫婦には羨ましい限り。終の棲家を海外に求める夫婦も増えているとか。果たしてそんな安穏な時代を待てるのだろうか。
●No.1075/04.4.17







「どうして
 日本人は、
 こうも
 簡単に、
 自衛隊の
 イラク
 派遣を
 根本の
 ところで
 容認して
 しまう
 のだろう
 。」

と橋本治氏(『広告批評』4月号)。続けて書きすぎたイラク問題だが、私と同じ気持ちを抱いていた方がいてどうしても書きたくなった。テレビで飯を食っている評論家には決して言えない一言で、彼らが世論形成に与える影響が恐い。私は古舘伊知郎氏もまた支持する。
●No.1074/04.4.16







「おい!
 あん
 ちゃん!
 出番だよ!
 おいで!!
 。」

バイト先の喫茶店のトイレでビートたけしさんに出演を直訴した津田寛治さんが、1年後に同じ店でたけしさんに掛けられた言葉。(昨夜の『マシュー’SベストヒットTV』)。津田さんは他の監督にも直接売り込んだとか。ゲリラ的な自己アピールは意外な効果を生む。
●No.1073/04.4.15







「Reality can
 destroy
 the
 dream;
 why
 shouldn’t
 the dream
 destroy
 reality?」

現実が夢を壊す事があるのなら、夢が現実を壊してもいいではないか?(『人生を豊かにする英語の名言』)。もう何も言わないが、現実とも違う各々の仮想現実が夢を蔑ろにしている。仮想する側の利益が、正義とか良心と決して一致しない点が現実の悲劇になっている。
●No.1072/04.4.14







「テロ。」
と、邦人を人質に取ったグループの行為を批判した小泉議員の姿勢が人質解放を遅らせているとか。そう呼ぶことでしか日本政府の正当性が保てないのだから小泉議員の無知が及ぼしたものではない。ただ私も今後「レジスタンス」との使い分けに配慮していく事にしたい。
●No.1071/04.4.14







「どれが
 本当か
 うそか
 分から
 ない。」

なる小泉議員の言葉を「朝日新聞」本日夕刊が「手詰まり」と批判。この国の首相は戦闘・非戦闘地域も分からないと言った。試みに、金正日の戦略を、次のテロの有無を、少子化による年金の未来を問いたまえ。恐らく全て「分からない」と言うこの人をなぜ首相に置く。
●No.1070/04.4.13







「遺体。」
という文字が3箇所の見出しにある本日の「朝日新聞」夕刊とは何か。イラクの武装集団に殺害された米国人、押入で窒息死していた69歳の女性、奥多摩と長瀞に別々の遺体を捨てた被告グループ。地球が、そして日本が、よりよい未来へ向かっているとは全く思えない。
●No.1069/04.4.12







「大儀なき
 戦争。」

なる昨日の志位共産党書記長の街頭演説は正論。本日の「サンデージャポン」でテリー伊藤氏は「日本人はイラクを助けたいなんて思ってない。アメリカについているだけ」と述べたが「人質解放で小泉政権は試練を乗り切る」などというマスコミの論調はお話にならない。
●No.1068/04.4.11







「小泉首相、
 本気で
 人道支援と
 考えている
 のなら、
 あなたが
 現場に来て
 ください
 。」

とは高遠菜穂子さんが自身のホームページで訴えていた言葉(本日の『毎日新聞』朝刊)。自衛隊派遣が日本への敵意を高めると指摘した。小泉純一郎、8日の夜、事件を知りながら顔色一つ変えずステーキを平らげたあなたを、なぜ日本はもっと早く見捨てなかったのか。
●No.1067/04.4.10







「テロが
 起きる
 可能性は
 どこにも
 ある。」

と3邦人イラク人質事件における福田官房長官の妄言。一見真理のようだが正義なき米国追従が原因となった事は間違いなく、その意味では詭弁以外の何物でもない。そしてこの悲劇は日本国民よりブッシュを重んじる小泉を支持する無責任な日本国民によりもたらされた。
●No.1066/04.4.9







「太い薪
 だけで
 火は
 つかぬ。」

と読売ジャイアンツの“史上最強打線”を評した豊田泰光氏のコラム(『日本経済新聞』本日朝刊)。先週も取り上げたが、氏の視点は常に独特で新鮮、表現も巧みだ。「種火となる選手」不在を指摘するが、ファンだった私も原前監督の解任騒動で興味半減してしまった。
●No.1065/04.4.8







「脚を鍛え
 ませう。」

なるボードが脇に置かれた、八重洲ブックセンター本店4階上り階段。エレベーターはあるが5階〜7階のエスカレーターがない。お客様に対する言葉としては結構、洒落がきついが、階段で何段あろうと駅のエスカレーターを使わない私は、許される範囲と解釈している。
●No.1064/04.4.7







「新しい
 ビルが
 できたから
 見に行く、
 新しい
 携帯電話が
 できたから
 買う、
 情報に追い
 立てられ、
 右往左往
 している。
 あれじゃ、
 疲れるに
 決まって
 ます。」

と現代人を評した、戦後12人目の比叡山の阿闍梨(高僧の意の梵語で天台・真言宗の僧位)・藤波源信氏(『毎日新聞』本日夕刊)。私に言われているかの如き指摘だ。文字通り右往左往している私は、それでも理念に賛同できない六本木ヒルズには一度も行っていない。
●No.1063/04.4.6







「ありがとう
 ござい
 ました。」

という言葉を聞かなかった。テロ対策でJR新宿駅南口構内を警備する警官の脇で人を待った。8分間で4人が警官に道を訊ねたが「あっ、そう」とか言うだけで一人も礼を言わない。時間に追われているのか礼儀が失われているのか警官が信頼されていないのか、この世。
●No.1062/04.4.5







「鉄は
 熱いうちに
 鍛えろ
 という
 諺は正解で
 ある。」

と瀬戸内寂聴氏(『毎日新聞』本日朝刊)。「子供に老人臭い『ゆとり』など必要ではない。子供の頭は柔軟だし吸収率は速く大きい」と文科省を斬る。それにしてもマスコミの文科省批判の矛先は小泉内閣へのそれよりさらに鈍い。低レベルで教育には興味がないらしい。
●No.1061/04.4.4







「War-
 ning
 to
 Japan。」

と東南アジアでアルカイダと連携を取る過激派幹部(本日の『サンデープロジェクト』)。国民保護法案の論議が盛んだが、テロは現在どんな措置を施しても防げない。日本政府は、日本がテロの標的となった原因、それを防げない危険について国民に謝り野に下るべきだ。
●No.1060/04.4.4







「乱れ
 てる。」

という見出しで自転車の右側通行を指摘した「毎日新聞」本日夕刊。夜間の無灯火や歩道の暴走も。昨年度の自転車乗用中の死亡事故は全国で約18万4千人とか。歩道を歩いていると自転車の暴走と歩きタバコが怖ろしい。最も乱れているものは自己中心的な心の中味だ。
●No.1059/04.4.3







「最後の
 一杯。」

酒で心地よくなる頃合いにこれが最後と自制して飲んでいたと豊田泰光氏(『日本経済新聞』昨日朝刊)。 我々はもちろんプロ野球選手ではないが、それぞれの仕事のプロであるはずだ。20代の深酒は見逃すが、私より年長者が泥酔していれば仕事ができないと判断する。
●No.1058/04.4.2







「表現の
 自由。」

が本当にギリギリで守られた。田中真紀子議員の長女らの私生活を取り上げた「週刊文春」の出版差し止めの取り消し判決だ。世知辛い“訴訟社会”への嫌悪、プライバシーという名の下に行われる公人の報道規制への危惧、そして事前差し止めを決めた東京地裁への不信。
●No.1057/04.4.2







「カタに
 はめること
 なしに、
 幼児の
 教育が
 できる
 のか。」

と故井深大氏(『井深大の教育論』)。幼年期の影響は大きく誕生直後の臨界期の猫を横線だけ描かれた箱に入れておくと縦線が見えなくなるとか。個性重視と叫ぶ前にカタにはめるという意味を考えるべき。子供の自主性にまかせる、選ばせる。その前にすべき事がある。
●No.1056/04.4.1
※川中紀行のブログ「いいコトバ」もぜひご覧ください。

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