「24H
安心保育
。」
あの東京都豊島区「ちびっこ園」の入口に出ていたスローガン。「安心のまごころ保育」もあった。これは極端な例だが、広告のフレーズは時として人を介したサービスに対してあまりにも無責任だ。“笑顔のサービス”を訴える店舗のスタッフに睨まれるなんて、序の口。
●No.160/01.6.29
「起業は
40歳まで
待った方が
いい。」
日経本日朝刊の藤田田日本マクドナルド社長の言葉。「40歳までは人に使われて苦労し、人脈をつくってお金をためた方がいい」と説く。確かにその辺の雑誌を見るとテクニックさえあれば起業がうまくいく風に書かれた記事が多い。何も今に始まった軽薄さではないが。
●No.159/01.6.28
「崇拝される
より、欲情
される
ほうが
はるかに
幸せ。」
と感じるクーチと「何もいらない。これだけでいい」と「おっぱいを囓る」塁という女二人の愛の物語。中山可穂著、山本周五郎賞受賞の「白い薔薇の淵まで」は、レズを観念的にでも、ポルノチックにでもなく、これまで類のないほど切なく描いた人間の魂の物語である。
●No.158/01.6.24
「ラブ
ホテルの
朝は
大家族が
およぎつき
。」
昨夜の人間講座(再)は、ねじめ正一氏の現代詩評。頭が固いと言われようが私は現代詩が大嫌いだ。いかに完璧に論理構築しても誤解を避けられぬ言葉を、意味不明に並べ立てて何の意味があるのか。「ラブホテルは浮いた存在」なる氏の解釈も幼稚な言葉遊びに過ぎぬ。
●No.157/01.6.23
「なんか、
あったの
。」
今夜0時前の渋谷駅で。それほど金曜深夜の山手線は混雑が激化した気がする。最近の田園都市線は0時渋谷駅発の臨時電車を出す。政府が「悪化」と表した景気の下でのこの現象。飲む機会を減らした分、週末に人出が集中しているという見方がまことしやかに語られる。
●No.156/01.6.22
「移動が
らくちん
。」
ブルータス最新号・Brutus Best Betsから。広告(特に通販)用語で「移動もラクラク」が多用されるが、当社はこれを使用禁止用語とし、最近JRでも見る「○○がラク」を使う。この「らくちん」も広告でよく目にするが「ラクラク」ではセンスを疑われる。
●No.155/01.6.21
「甘やかし
ては
いけ
ない。」
今日は「子ども」をテーマにグッチ裕三氏と雑誌セサミの堀田編集長に取材。お二人に共通したのが、この言葉。「子どもは大人をよく見ている」も一致。翻って世の親子関係を見れば、甘やかされ放しの子どもが、親の心を見透かしいいように振る舞っていると言えよう。
●No.154/01.6.20
「夢。」
都議選のスローガンは「きらり一票 ゆめ東京。」日経本日朝刊で紹介された川崎市のSOHO支援施設は「かわさき夢オフィス」。お役人の「夢」好きは今始まったわけではないが、政治や行政における抽象的な言葉はますます恥ずかしさを加えている。夢は、もういい。
●No.153/01.6.18
「人生は、
腹に一物。
背に荷物
。」
今日のおしゃれカンケイでのパパイヤ鈴木に宛てた恩師・星野氏の手紙から。「姿形は恥じても、やっていることは恥じるな」「志は高く、経費は低く」など、冗談を交えながらの激励が温かい。既に2人の恩師を亡くした私だが、よき師弟関係こそ掛け替えのないものだ。
●No.152/01.6.17
「出かけて
おります
。」
某社に電話しAさんを呼び出す。「出かけておりますが。」それではと、続けてBさんをお願いする。すると電話口では先ほどと全く同じ冷たい口調で「出かけておりますが。」を繰り返す。こんな社員は即刻辞めさせた方がいい、と思うがこの種の人間の何と多いことか。
●No.151/01.6.14
「文学を
遠ざけて
から
人間の
表情は
変わった
。」
ラジオ深夜便に荒川洋治。20年くらい前は大抵の家に文学全集があったという。「文学が見えなくなったのは人間が見えなくなったから」という言も。これからの文学は精神異常とでも向き合うべきなのか。ならば田口ランディの三部作などその先兵と言えるかもしれぬ。
●No.150/01.6.11
「慚愧に
耐えない
。」
大阪大学付属池田小・山根校長の会見から。言葉が気持ちに対していかに不完全かを改めて思った。この場合、沈黙の方がむしろ心情を伝えるのに適している気さえする。「心よりお悔やみを申し上げます」という言葉を禁止したら、人は何と気持ちを表現するのだろうか。
●No.149/01.6.9
「ワン
ショルダー
。」
なんか肩を片方出してる娘が最近多いなと思っていたら流行らしい。知り合いのブティック店長によると、BWHにメリハリがあって背が高くないと似合わぬという。日本人は着こなせないからと、ポリシーとして作らないアパレルメーカーもあるらしい。さて、あなたは?
●No.148/01.6.8
「女の子。」
「アメリカの心」という名著にLet’s Get RID Of “The Girl”(“女の子”を追い払おう)という、もう20年以上も前の文がある。私は社内外の女性スタッフに「女の子」という言葉を一切用いないが、この言葉、女性も使っているので余計に根が深い。
●No.147/01.6.7
「勝利投手の
権利を
持って
降板。」
と、今朝のめざまし天気がエクスポズ・吉井投手の模様を報じていたが、ここは「交代」だろう。また、ネパール王射殺に伴い女子アナが「摂政」を「せっせい」と読んだのも情けない。せっかく早起きしたのに、またも語りのプロたちの稚拙な言語表現に打ちのめされた。
●No.146/01.6.4
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