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「スタッフの勝手な近況」から(6)

マンスリー広告批評〈02.7月〉

“マンスリー”になかなか追いつかない「マンスリー広告批評」。本当にすみません(来週引き続き8月を更新予定。何としてでも追いつく!)。7月と銘打っ た今回は「スタッフの勝手な近況から」第6弾をお届けします。この夏から秋にかけての「スタッフの勝手な近況」から、広告をつくる仕事、物を書く仕事をい ろんな角度から見つめた散文を掲載しました。リアルタイムで読まれた方も、そうでない方も、ちょっとのぞいてみてください。(2002.10.18)

(7月11日)
●広告費が10ヶ月連続で前年割れ。スーパーとか百貨店を笑ってはいられない

(7月18日)
●7 月16日掲載の宝島社の広告「国会議事堂は、解体。」は本当に凄いなと思いました。第一、満員電車で新聞を読んでいて、半分開いた紙面から国会議事堂とい う文字がのぞいただけで宝島じゃないかと思わせる独特の広告戦略をもう確立しているところが凄い。国会議事堂を解体して青空の下で国会を開こうという趣旨 で、議員と議長、書記までもが団地の前の原っぱで正に議論している図は、業界内で評判だったベネトンの(例えば戦死した兵士の血染めの兵服のような)一連 の広告より、特に日本においては遙かにメッセージ性の強いよく分かる広告になっていると思う

(8月1日)
● 一消費者として商品特性を捉えていないという意味で広告の方はいただけないが「樽生仕立」の味が気に入った。一方、深津絵里のテレビCMが秀逸な「ピングレ」「グレフル」を買ったが、酒が好きな人には嫌われる酒だった

(10月4日)
●先週末を覆った雨模様のなか、明治通りを代々木方面に向かってタクシーを走らせた。旅行も映画もままならず、共通の趣味と言えば「おいしいものを食べ る」くらいの私たちWインカム(額は少ない)夫婦が先日、ランチに訪れたのは、東京・神宮前のイタリアンレストラン。好き嫌いなく何でもおいしく食べる私 だが、ここが某人気サイトで青山No.2 にランクされている店となると素直に頷けない味。「ディナーならもっと力を入れるのかな」と二人で話しながら 帰った。地元の大和市中央林間にあるお気に入りのイタリアンの方が余程おいしかった。ただ、値段は飲み物まで本当に良心的だし、場所を知らないと分からな い一角にあるので、休日に渋谷駅周辺でゆっくりとランチするには適当なお店かなとも思う。山本益博は嫌いだし、料理の蘊蓄も嫌い(第一、私にそこまでの データベースはない)なのでエラそうな事は言いたくないのだが、素直に料理って難しいなと思ったのだ。それは、書く仕事にも共通する難しさだと思う。日本 語を書くことは誰でもできるし、料理も誰でも作れる。だからこそ、プロには期待してしまう。このお店に感じた思いは、実は私自身に浴びせられている思いな のかもしれないのだ。一つの食材を入れたことが、ある人には「くどい」と取られ、別の人には「これ、おいしい」と言われる。書くことだって、意図して書い た文章が受け入れられない場合もあるのだ。SMAPの中居くんがかつて「千円前後の料理がいちばんおいしい」と言っていたらしいが、五反田の中華料理店の 肉野菜定食に100%満足してしまうのはそんな神経が働くからかもしれない。しかし、これは単に私が一流レストランの味を知らないという根拠にはならな い。事実、知らないのだが、料理の味イコール価格に結びつかない点が料理の難しさでもあるからだ。この辺りの微妙さも文章と似る。文章の味イコール価格に なることもあれば、ならないこともあるのだ。先週テレビ出演していた道場六三郎氏は、母親譲りのお醤油で握ったおにぎりを作っていたが「母親の方がおいし い」と照れながら語った。もちろん息子なりの愛情を表した言葉だろうが、これも真実だと思う。先に述べたレストランだが、文章に好き嫌いがあるように味の 好みもまた個人差がある。たまたま私たち二人の口には合わなかっただけかもしれない。右手にデニーズが見えたら横断歩道の先を左折。お近くに行かれた折り にのぞいてみるのも宜しかろう

(10月4日)
●クライアントの意図として受け取っていた情報が違っていたという仕事が立て続けに3件あった。私自身がクライアントと直接話して分かったのである。こう したことは広告制作の過程ではよくあるのだが、想像力に欠けた打合せが原因なのだ。想像力があるということは、ある言葉がもたらす結果を予想できるという ことであり、予想できれば先方の仮説が正しいか間違っているか、矛盾があるのか正論なのか判断がつく。それは時に先方にしつこく食い下がる労力が必要であ り、また時には先方の意見にNOを出すことでもある。だから精神的なパワーも必要なのだが、他業界の停滞同様、広告業界からもそうした基礎となるパワーが 落ちている感じがする昨今である

(10月18日)
● 駄洒落で終わるテレビCMがここ1年くらい目立つ気がする。長期的傾向なのか、最近になって本当に増加しているのか不確かなのだが(パパイヤ鈴木で「パパ 嫌」とか、「秘訣」というキーワードでお尻に火を付けたり工夫が感じられない。)

バックナンバー
●クリエイターのコミュニケーション能力(1)
●広告雑感アーカイブ(4)
●広告雑感アーカイブ(3)
●CMへの悲鳴と皮肉
●「手紙」という広告
●政治広告の嘘
●広告雑感アーカイブ(2)
●広告雑感アーカイブ(1)
●「さ、」のリユース
●「スタッフの勝手な近況」から(8)
●「リライト」論
●“広告会社”という言葉への大いなる疑問
●CMキャラクターという架空
●ライターと呼ばないで
●「スタッフの勝手な近況」から(7)
●誰がアメリカの広告戦略を担えるのか
●広告と社会との関係
●こんな言葉を広告で見かけませんか?(2)
●私的「三点リーダ」論。
●店頭には責任を持たなくてよいのか?
●「スタッフの勝手な近況」から(6)
●エーペラ文化
●迷走する「広告の迷走」。
●こんな言葉を広告で見かけませんか?(1)
●「スタッフの勝手な近況」から(5)
●コピーライターという言葉
●イメージへの過信
●「スタッフの勝手な近況」から(4)
●コピーライターの性別
●いいコピーライターになるための50の条件
●「スタッフの勝手な近況」から(3)
●「ソリューション」の憂鬱
●自民党宮城県連のテレビCMへの異議申し立て
●「スタッフの勝手な近況」から(2)
●「現代広告の読み方」
●疑似表現について
●「スタッフの勝手な近況」から
●業界誌の広告観
●既成概念への配慮について
●広告スペースを選ぶ必要はないのか?
●チカラ(力)がただいま流行中
●広告批評の限界について
●“広告英語”の現在
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